岩沙弁護士によれば、労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令の下に置かれている時間」のことを指す。そのため、
「制服を着て職務を行うことを労働者に義務付けているのであれば、自宅から制服を着てくることを認めている場合は別として、着替えを必要とする時点で使用者の支配が及んでいると考えられ、着替える時間は労働時間になります」
と話した。これは正社員でも同じで、例えば事務職等で制服着用が義務付けられている場合も労働時間としてカウントされるという。
実際、従業員の着替えが労働時間に含まれるかが争点の一つとなった「三菱重工業長崎造船所事件」でも、始業前と終業後の着替えが労働時間として裁判所に認められたという。
また、朝礼については、労働時間になるかは参加が強制されているか否かで判断する必要があるというが、「多くの会社の朝礼は、参加が義務づけられていることが多いため労働時間にあたるでしょう」と指摘した。
賃金を請求するなら「客観的証拠」を残すように
だが、始業前の早出がすべて労働時間に含まれるかといえばそうではないようだ。労働時間に含まれるのは、あくまでも「会社から始業前に仕事をすることを命じられた場合」や「始業前の仕事を余儀なくされた」といえるケースだ。
そのため、たとえば「通勤時の交通事情等から遅刻しないように早めに出社する場合」「生活パターン等から早く起床し、自宅ではやることがないために早く出社する場合」など、労働者側の事情による早出は労働時間にあたらないとされている。
岩沙弁護士の元にも早出に関する相談が寄せられているという。早出については残業と認められないものも多いものの、「ご依頼いただいた事件のほとんどで早出についても残業代を請求しています」という。
早出の分の賃金を請求する場合、労働者がやっておいた方が良いこととしては、
「正確に記録されたタイムカードがあればそれで十分ですが、タイムカードなどで労務管理をされていない場合は、日々の労働時間について客観的証拠を残すことが一番重要です。PCのログイン・ログアウトのデータを保存するのも良いでしょう」
とアドバイスした。
着替えや朝礼のために15分前出勤、これって「サービス早出」じゃない? 労働時間に含まれるのか弁護士が解説
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